人材派遣と人材紹介の違いとは?

公開日:2024/10/24  

人材派遣と人材紹介

転職活動を始めると「人材派遣」と「人材紹介」の違いに戸惑う方も多いのではないでしょうか。それぞれのサービスには異なる仕組みがあるため、しっかりと理解してから利用することが重要です。

今回は、この「人材派遣」と「人材紹介」の違いについて、詳しく解説していきます。

人材派遣と人材紹介の違い

「人材派遣」とは、派遣会社と雇用契約を結びながら、実際の業務は派遣先企業で行う働き方を指します。この場合、給与の支払いや有給休暇の管理といった労務面のサポートは派遣会社が担当しますが、業務に関する指示は派遣先企業から受ける形となります。派遣社員は雇用元が派遣会社でありながら、派遣先企業で実務に従事するというのが特徴です。

一方「人材紹介」は、人材紹介会社が求職者と求人を出している企業を結びつけるサービスです。この仕組みでは、紹介された企業に直接雇用されることになるため、給与の支払いや福利厚生などの待遇は、紹介先企業が直接管理します。人材紹介の場合、求職者は紹介された企業に入社した時点でその企業の従業員となり、長期的な雇用を前提とした働き方が一般的です。

サービス内容に関する違い

ここでは、人材派遣と人材紹介の違いを、働き方や紹介方法の観点から詳しく説明します。

人材派遣のサービス内容

人材派遣には、3つの働き方があります。

登録型派遣は、派遣会社に登録し、企業のニーズに応じて一定期間派遣されます。契約期間が終了すると次の派遣先を探すスタイルで、仕事内容や勤務条件の調整が柔軟です。

紹介予定派遣は、企業での直接雇用を前提とした派遣です。最大6か月の派遣期間中に企業の職場環境や業務内容を確認し、双方が合意すれば直接雇用に移行します。

無期雇用派遣は、派遣会社と期限のない雇用契約を結ぶ形で、派遣先での業務が終了しても雇用が継続されます。安定した収入を得たい方に適しています。

人材紹介のサービス内容

人材紹介サービスは、大きく分けて3種類あります。

登録型人材紹介は、求職者と企業をマッチングするサービスで、求職者は年齢、学歴、職歴、スキルを登録します。コーディネーターとの面談後、希望条件に合った求人を紹介され、面接日程や就労条件の調整も任せられるため、転職活動がスムーズに進みます。

ヘッドハンティング型人材紹介は、企業からの依頼に基づき、人材紹介会社が最適な候補者をスカウトします。主にエグゼクティブ層を対象とし、高度なスキルや経験を持つ人材を求める企業にとって重要です。

再就職支援型サービスは、企業からの依頼により、社員の再就職を支援するサービスです。雇用の再開や出向の仲介など、企業が従業員のキャリアを支援する役割を果たします。

給与形態に関する違い

ここでは、人材派遣と人材紹介における給与形態の違いについて解説します。

人材派遣の給与形態

一般的に、派遣スタッフは働いた時間に基づく時給制が採用されています。労働時間がそのまま給与に反映される形です。

無期雇用派遣の場合は、人材派遣会社と無期限の雇用契約を結ぶため、月給制が一般的です。これにより安定した収入が期待できる一方、労働時間が柔軟に変動する可能性があります。

紹介予定派遣の場合は、派遣期間中は時給制で給与が支払われます。派遣期間終了後に直接雇用契約を結ぶと、給与形態が月給制や年俸制に変更されることが多いです。最終的な給与形態は派遣先企業の制度によるため、事前の確認が重要です。

人材紹介の給与形態

人材紹介の給与形態は、求職者が雇用される企業によって異なりますが、多くの企業は、月給制を採用しています。安定した収入を得ることができます。

インセンティブ制度は、業績や個人の成果に基づいて追加報酬が支給される制度です。パフォーマンスによって大きな収入を得るチャンスがあります。

年俸制は、年間の給与があらかじめ設定され、月ごとに分割して支給される形式です。

就業期間に関する違い

ここでは、人材派遣と人材紹介における就業期間の違いについて解説します。

人材派遣の就業期間

人材派遣の場合、原則として期限付きの雇用契約が結ばれます。これは労働派遣法に基づいており、派遣スタッフが同一の派遣先で働き続けることには制限が設けられています。

具体的には、仕事内容に関わらず、最大で3年まで働くことが許可されています。この制限は「3年ルール」として知られており、派遣スタッフが同じ職場で長期間働くことを防ぐための規定です。ただし、3年の期限が過ぎた後は、派遣先企業との新たな契約や、他の派遣先での就業が可能になります。

人材紹介の就業期間

一方で、人材紹介の場合は就業期間に関する制限はとくにありません。求職者が企業に直接雇用されるため、労働契約はその企業との間で結ばれ、長期的な就業が可能です。求職者は自分のキャリアやライフスタイルに応じて、仕事を続けることができます。

人材派遣のメリット・デメリット

ここでは、人材派遣のメリットとデメリットをそれぞれ紹介します。

人材派遣のメリット

人材派遣の最大のメリットは、ライフスタイルに応じた柔軟な働き方ができる点です。結婚や出産、育児、介護などのライフステージに合わせて、働く時間や職場を選ぶことができます。

また、2015年から施行された法律により、派遣スタッフのキャリアアップを支援するためのキャリアサポートが義務付けられています。これにより、IT技術やビジネス英語などのスキルを習得する機会が提供されます。ただし、サポート内容や期間は派遣会社によって異なるため、登録前に確認することをおすすめされています。

さらに、派遣社員も正社員と同様に社会保険や有給休暇などの福利厚生を受けることができます。ただし、福利厚生を受けるためにはいくつかの条件が設定されているため、事前に確認しておくと安心です。

人材派遣のデメリット

一方で、人材派遣のデメリットとしては、安定性が欠けることが挙げられます。一般的な登録型派遣では、雇用期間が決まっており、派遣されるたびに新たに派遣会社と雇用契約を結ぶ必要があるのです。そのため、契約期間が終了すると雇用関係が終了し、給与も支払われなくなります。

自由度の高さは魅力的ですが、長期的な雇用が保証されているわけではないため、注意が必要です。ただし、無期雇用派遣の場合は長期的な収入が見込め、紹介予定派遣を利用することで正社員を目指す道も開かれています。このように、人材派遣を活用しながら安定した収入を得る方法も存在します。

人材紹介のメリット・デメリット

ここでは、人材紹介のメリットとデメリットについて、詳しく解説します。

人材紹介のメリット

人材紹介の大きなメリットは、自分の経験やスキルにマッチした求人を紹介してもらえることです。これにより、自分の能力を活かしながら活躍できる職場を見つけることができます。また、人材紹介会社では一般に公開されていない「非公開求人」を扱っていることが多いです。非公開求人とは、企業が求人情報を公にすると応募が殺到するため、人材紹介会社を通じてのみ採用活動を行うものです。

これらの非公開求人は、大手企業や魅力的な条件の仕事が多く、人気が高いです。人材紹介サービスを利用することで、憧れの企業への転職が実現するチャンスが広がります。

人材紹介のデメリット

一方で、人材紹介のデメリットとして、選考から実際に働き始めるまでに時間がかかる可能性がある点が挙げられます。人材派遣では企業の採用選考がないため、比較的早く働き始めることができますが、人材紹介では書類選考や面接を通過する必要があるため、時間がかかります。

とくに面接については複数回実施されることが多く、合否の結果が届くまでに1か月以上かかることも珍しくありません。採用に至らなかった場合、再度別の求人を探すことになり、振り出しに戻る可能性もあります。このため、人材紹介サービスを利用する際には、即座に働き始められない点を充分に理解しておくことが重要です。

まとめ

人材派遣と人材紹介の主な違いは、雇用契約の形態です。人材派遣では派遣会社と契約し、派遣先企業で働くため、採用選考がないので比較的早く働き始められます。一方、人材紹介では企業と直接雇用契約を結び、給与や福利厚生を受けられますが、勤務開始までに時間がかかることがあります。

長期的な安定を重視する場合は人材紹介が魅力的ですが、迅速な就業を希望する方には人材派遣が適しています。それぞれのメリット・デメリットを考慮し、自分に合った選択をすることが重要です。

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